寄附
うた
上記
上記のような地方自治体への納入金とする意思をもって,当該財貨 を提供することが必要となる。
そして,このような金銭の交付を受けた公務 員は,当該金員を収納,調定する権限のある者に交付すべき義務を負うもの というべきである。
(2) 前提事実及び証拠(乙9,乙12の1ないし15,証人Cの証言)によ れば,次の事実が認められる。
ア本件祝い金は,B中学校の平成14年度の入学式,体育祭,卒業式に参 加した者から,校長であるA個人に対して,交付されたものであり,一人 の拠出金額の多くは3000円又は5000円であった。
イそして,本件祝い金を拠出した者の意思は,その使途を,授業,教師間 の交流,その他学校運営をより適切に行うために必要な経費として支出す べきとするものであった。
すなわち,B中学校の行事への参加者は,町会 や商店街の役員,PTA役員のOB,医師,市の体育指導員や民生委員な ど,学区内に居住する地元の住民が多く,地元の子弟が通う中学校のため に使用してほしいという趣旨で,同中学校の校長の職にある者個人に対し 本件祝い金を交付したものであった。
ウ本件祝い金の使途は上記のとおり,B中学校の学校運営に資する支出に 限定されるが,何がB中学校の学校運営に資する支出であるかについては, 同中学校の校長の職にある者の裁量にゆだねる趣旨であった。
(3) 上記のとおり,本件祝い金を拠出した者の意思は,これを船橋市の一般 会計に計上して,市の予算として市議会の承認等の手続を経て支出されるべ きものとする趣旨を含むものであったということはできない。
したがって,本件祝い金をもって,船橋市への寄附金と解することはでき ない。
なお,被控訴人が援用する浦和地判昭和53年3月6日とその控訴審 である東京高判昭和55年3月31日(判時963号17頁)は,市の施設 である浄水場の落成式の際に招待客が持参した市長に対する祝い金を市に対 する寄附金であるから公金として処理すべきであると判断したものである が,この事案においては,浄水場の運営は別途予算措置を講ずべきものであ り,祝い金の受領主体は水道企業管理者ではあるものの当該浄水場の現実の 運営に携わる者ではなく,祝い金の使途の限定はなく,祝い金の金額は昭和 44年当時の39万円余であったものであり(公表されている平成19年版 国民生活白書によれば,2005年を100とした1969年の消費者物価 指数は,31.5程度である。),B中学校の運営に資する支出との使途を予 定し,その判断を校長職にある者の判断にゆだね,社会的にも一般儀礼の範 囲内の金額をもって拠出された本件祝い金とは,招待客と市長との関係等か ら見て,事例を異にするものである。
(4) 以上によれば,本件祝い金の法的性質を論ずるまでもなく,本件祝い金 は船橋市の公金の性質を有しないということができるが,本件事案にかんが み,本件祝い金の法的性質を検討する。
まず,その法的性質を贈与とする場合,拠出者が船橋市への公金とする意 思を有しないことからすれば,受領主体は校長の職にある個人と解すること になり,当該金銭をB中学校の運営に資する使途に使用すべき負担の付され た贈与と解することとなり,その使途の違反は債務不履行に当たるとしても, 船橋市に対する不当利得となるものではない。
また,上記の拠出者の意思,校長(実際にはその監督下にある教頭,乙9) の管理の下に,校長,教頭らの個人的な用途ではなく,学校関連の備品,事 業に関連して支出がされてきた経過を直視すれば,本件祝い金は,B中学校 の運営に資する使途に用いるとの目的の下に,その校長の職にある者を受託 者として(校長の異動があるきは,受託者の変更を予定したものとして)金 銭の使用を託した,信託類似の契約と評することが相当である。
この場合, 校長がこの金銭を遊興費その他の私的目的で使用すれば,受託義務違反とし て,拠出者に対して責任を負うことになるが,船橋市の公金を減少させたも のということはできないというべきである。
なお,財貨の交付の趣旨,法的性質は贈与者の意思に関する法的判断であ り,本件祝い金については,これを拠出した者の意思が船橋市の収入に納入 させる意思であったと認められないことは既に説示したところであるが,仮 に,本件祝い金の受領主体が船橋市職員であるB中学校の校長の職にある者 であったことから,本件祝い金は,校長職にある者の裁量によりB中学校の 運営に資する使途に用いるべきものとの限定の付された船橋市への贈与,寄 附と解するとしても,このような贈与(寄附)は,校長職にある者の裁量に よりB中学校の運営に資する使途に用いるべき歳出を組むべき旨の負担の付 されたものであり,受領(収納)の議決がないかぎり拠出者に返還すべき性 質のものであって,校長が拠出金を預かったことにより,直ちに船橋市の収 入に帰属したものとは解されない。
(5) 祝い金なる名目での総計予算主義に反する金銭の移動を認めることは, 地方自治体に収納されるべき寄附金の範囲をあいまいにさせ,また,公金取 扱いの慎重さを減殺し,公金収支の透明性さを損なうものであるとの被控訴 人の指摘は正当なものということができる。
しかし,このことから,上記認 定が左右されるものではなく,既に説示したとおり,本件祝い金を船橋市の 収入に計上すべき寄附金であると認めることはできないから,地方自治法2 42条の2第1項4号本文により,控訴人に対し,Aに不当利得返還の請求 をすることを求める本件住民訴訟は,その余の点について判断するまでもな く,理由がない。
(6) 被控訴人は,当審の弁論終結後に,平成20年5月20日付け意見書を 提出しているが,同意見書によっても上記の判断が左右されるものではない。
2 よって,本件控訴は理由があり,被控訴人の控訴人に対する請求は理由がな いから,原判決中,被控訴人の請求を認容した部分を取消し,被控訴人の予備 的請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。
不当利得返還請求権
被告の東北大学に対する不当利得返還請求権の取得と補助参加人の承継以上の説示によれば,本件支出は地財再建法24条2項に違反し違法無効であるところ,医局と研究科・診療科との実質上同一ともいうべき密接な関係から,本件支出によって授受された金銭は,その都度東北大学の研究科・診療科,すなわち東北大学(国)に実質的に帰属し,同大学はこれを法律上の原因なくして利得し,被告はこれによって同額の損失を受けたといえるのであり,これによれば,被告は,各支出の都度,国(東北大学)に対し,各支出と同額の不当利得返還請求権を取得したと認められる。 そうすると,補助参加人は,その設立と同時に,国(東北大学)が被告に対して負担していた不当利得返還債務を承継したと認められる。 被告の不当利得返還請求債権が時効消滅したか。すなわち,地方自治法236条の5年の時効期間の適用の有無について 地方自治法236条1項が金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利及び普通地方公共団体に対する権利で金銭の給付を目的とするものにつき5年の消滅時効期間を定めたのは,普通地方公共団体の権利義務を早期に決済する必要があるなど主として行政上の便宜を考慮したことに基づくものであるから,同項の5年の消滅時効期間の定めは,上記のような行政上の便宜を考慮する必要がある金銭債権であって他に時効期間につき特別の規定のないものについて適用されるものと解すべきである。
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主文
1 被告らは,原告に対し,連帯して,15万円及びこれに対する平成 17年7月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の各請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを30分し,その1を被告らの連帯負担とし,その 余を原告の負担とする。
4 本判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請求
1 被告らは,別紙書籍目録記載の書籍から別紙削除写真目録記載の各写真を削 除しない限り,同書籍を複製し又は販売してはならない。
2 被告らは,原告に対し,連帯して,286万円及びこれに対する平成17年 7月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告株式会社東亜フォトニクスは,原告に対し,那覇市天久905番地所在 の株式会社琉球新報社発行の「琉球新報」及び那覇市おもろまち一丁目3番31号 所在の株式会社沖縄タイムス社発行の「沖縄タイムス」の各朝刊社会面広告欄に, 別紙謝罪広告目録1記載1の謝罪広告文を同目録記載2の掲載条件で,各1回ずつ 掲載せよ。
4 被告財団法人海洋博覧会記念公園管理財団は,原告に対し,前項の「琉球新 報」及び「沖縄タイムス」の各朝刊社会面広告欄に,別紙謝罪広告目録2記載1の 謝罪広告文を同目録記載2の掲載条件で,各1回ずつ掲載せよ。
第2 事案の概要
本件は,被告株式会社東亜フォトニクス(以下「被告東亜」という。)の元取締 役であり,写真家である原告が,被告東亜及び被告財団法人海洋博覧会記念公園管 理財団(以下「被告財団」という。)に対し,原告が撮影した別紙著作物目録記載 の各写真(以下まとめて「本件各原写真」という。)を被告らが無断で複製して別 紙書籍目録記載の写真集「写真で見る首里城(第4版)」(以下「本件写真集」と いう。)に掲載しているのは原告の複製権を侵害し,また原告の氏名を表示せずに 本件写真集を複製及び販売しているのは原告の氏名表示権を侵害する不法行為であ る等と主張して,本件各原写真の複製権等に基づいて,本件各原写真の複製物ない し翻案物である別紙削除写真目録記載の各写真を削除しない限りでの本件写真集の 複製及び販売の差止め,使用料相当額の損害の賠償を請求し,また本件各原写真に 係る氏名表示権に基づく慰謝料の支払いを請求し,かつ弁護士費用相当額の損害賠 償,謝罪広告の掲載及び上記各損害に対する平成17年7月1日(本件写真集の発 行の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払いをそれぞ れ請求した事案である。
なお,原告はその訴状中で複製権の侵害を主張しているが,本件各原写真のうち には,もとの写真の一部を切り出して本件写真集に掲載されているものがあるから, 翻案権の侵害も合わせて主張しているものと解される。
また,原告は,前記のとお り販売行為の差止めも請求しているから,譲渡権の侵害も合わせて主張しているも のと解される。
第3 当事者間に争いがない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認め られる事実
1 当事者
(1) 原告は,写真家であり,平成9年10月1日に被告東亜に従業員として就 職し,同年12月25日に被告東亜の株式を取得するとともに,同社の取締役とな った。
原告は,平成14年2月20日,被告東亜の代表者であるB に対し,自己が保 有していた被告東亜の株式を譲渡するとともに,被告東亜の取締役を辞任した(弁 論の全趣旨)。
(2) 被告東亜は,写真の作成及び貸出し並びに書籍等の制作及び編集等を業と する株式会社である。
B は,少なくとも平成9年ころから現在まで,同社の代表取 締役である(弁論の全趣旨)。
(3) 被告財団は,亜熱帯性動植物に関する調査研究,首里城に関する調査研究 及び沖縄県内に所在する国営公園等の維持管理を目的とする財団である(弁論の全 趣旨)。
借金の肩代わり